昨夜のムニューチン次期財務長官の公聴会発言について

Steven Mnuchin 次期財務長官

■ムニューチン氏(公聴会における発言要旨)
・米上院財政委員会での公聴会。
・最も大切な点は経済成長を創出すること。
・経済成長の鍵は税制改正。
・国民のために経済を拡大させ雇用を増やす。
・2008年のような金融危機は二度と起こさない。
・トランプ氏は自由で公正な貿易に関心。
・3~4%が適切な成長率。
・トランプ氏の米成長の減速への懸念を自身も共有する。 
・成長には税制改革が重要。
・過剰な規制は成長にも雇用にも弊害。
・ドルは非常に強い。
・ドルの長期的な強さは重要。
・自身の役割は短期的な動きにコメントすることではない。
・早期の債務上限引き上げを要望。
・国家債務を縮小させる最善の方法は成長加速。
・所得税はもっとシンプルにし、中間層の減税を実施すへき。
・法人税減税は企業のインバージョン(税回避のための海外移転)を防止する。

共和党政権らしい発言が並びました。『ドルの長期的な強さは重要』という言葉が、この会見で最も重要なポイントです。共和党政権の枕詞は『強いドルこそ国益』です。オバマ政権より前(つまり8年前)にはよく聞かれた言葉でした。確かにドル安は米国の製造業・輸出業にとって有益です(日本と同じ理由で)。しかし、米国の投資家にとってはそうではありません。ドルの強さは資産価値を高めますし、海外資産を買収にする強力な武器になります。今後はこの視点から米政権を見ることが重要になるでしょう。

当のトランプ大統領は投資家・事業家ですし、ムニューチン氏も銀行家・投資家です。彼らはウォール街の代弁者でもある訳です。その立場からこの発言をしている真意を考える必要があります

とはいえ、『早期の債務上限引き上げを要望』と言っているのには呆れます。かつて共和党がどれだけ債務上限引き上げに抵抗したか?米政府機能を何回停止に追いやったか?知っていて発言しているのでしょうか。米国はまもなく債務上限に達しますから、春から夏にかけて重要論点になっていくでしょう。リスク回避につながるので、理解しておくべきです。